2023/6/1より始まった「Rakuten 最強プラン」は使えるプランなのか?従前のプラン「Rakuten UN-LIMIT VII」の問題点を整理し、新プラン移行後のこれら問題点の改善状況を最速レポートします。
はじめに
20236/1より「最強プラン」と銘打たれた新プランが始まりましたが「最強」の名に恥じない優れたプラン内容へと進化(アップグレード)しており、皆さんの関心事となっているのではと思います。
そこで、以前僕が(2022/4)に楽天モバイルを車内用のWi-Fiとして利用できないか検討した際の問題点を改めて列挙し、これらがどの様に改善されたかを最速レポートいたします。
真っ先に結論から申しあげますと、
素晴らしいプランに昇華している
と言っていいでしょう!!!
当ページが、皆様の検討の参考になれば幸いで御座います。
因みに、その当時(2022/4)の僕、take(テイク)の見解は、楽天モバイルの
コストパフォーマンスの良さは誰もが認めるところ
が、しかし
車内用のWi-Fiとするには時期尚早
今後の楽天モバイル基地局の整備充実を待つべき
それまでの間は、
実質データ通信量が無制限化したWiMAXが筆頭候補
というものでした。
下記が当時の記事です。
ということで、僕はカシモWiMAXのお世話になっていました(今回の楽天モバイルの発表を受け、WiMAX回線は卒業【解約】しましたが・・・)。
1 楽天モバイルをおすすめ出来なかった理由は次の二つ
(1) パートナー回線の速度制限
楽天モバイルはデータ使用量無制限、尚且つ速度制限無しという素晴らしい仕様でしたが、それはあくまで
楽天モバイル自社回線での話
でした。
基地局整備が進んでいなかった楽天モバイルはまだまだ通信エリアが不完全で、その穴を埋める為、auとパートナー契約を結び、楽天モバイルエリア外は、au回線のローミングサービスにより通信エリアを確保していたのです。
そして、このパートナー回線での通信は使用量無制限、速度制限無しとはいかず、パートナー回線での通信量が5GBを超えると、月末までパートナー回線の通信速度が
1Mbpsに制限
されていました。
山間部の高速道を通行することが多いトラック車内で使用すると、その通信の殆どはパートナー回線によることになり、早ければ1日、遅くとも3日でデータ通信量は5GBを超え、利用環境も大半がパートナー回線になるため、実質通信速度は1Mbpsという状態でした。
この1Mbpsという回線速度。動画視聴アプリの画質設定次第では何とか閲覧可能ですが、やはり「快適」には程遠いものでした。
スポーツチャンネルのDAZNアプリには画質調整機能は実装されていませんでしたし・・・。
(2) 利用電波掴み変えに伴う遅延
自社回線の基地局整備が進んでいなかった楽天モバイルはパートナー回線により通話アリアの穴を埋めてきた訳ですが、当然莫大な回線使用料をKDDIグループのauに支払っていました。
月5GB以降に通信速度の制限を設定していたということは、auとの契約は定量契約ではなくローミングした分に応じて、つまり利用した分だけ料金が発生する歩合制と思われ、当時(2022/4)楽天も、
KDDIに支払うローミング代が経営を逼迫している
自社回線の基地局整備を進める
という方針でしたし、実際KDDIとのローミングの規模も縮小傾向で進んでいました。
つまり、楽天の考えとしては
できるだけローミング回線を使って欲しくない
という明確な意図があったのです(まぁ、当然のことですが)。
そして、ここからは僕、個人が感じた使用感であり、想像の話になりますが、ある地点の電波状況が、
バリバリのパートナー回線エリアだけれども、尚且つ楽天モバイルの電波も僅かに届く
という場合、利用する回線の選択プログラムが
電波状態良好のパートナー回線の利用
より
電波の状態は不安定だけど、頑張って楽天回線を利用
になっていた気がしてならないのです。そしてこの利用電波の選択に非常に時間がかかっていました。
更に、当時の利用時の感想を率直に述べれば、思いっきり山間部で使った方が、楽天回線が全く届いておらず、ルーターもすっぱり諦めて、パートナー回線で通信を続け、その方が1Mbpsの速度制限がかかっていたとしてもサクサクブラウジングできた印象があります(個人の感想)。
逆にちらほらと民家が点在する中途半端な環境だと、楽天回線も中途半場に届いているのか、ルーターは何とか楽天回線での通信を試みるのでしょう。本来楽天自社回線ならば速度制限がなく、通信速度は速いはずなのですが、電波が弱い為に動画視聴はおろか、ブラウジングにも大変もたつくという
逆転現象までもが
が発生していたのです。
※ 楽天の名誉の為に申し添えておきますが、都市部(名古屋市、岐阜市)にあっては基地局整備も十分に進んでおり、当時(2022/4)段階でも快適に利用できていました。
※ 当時の使用感は下記の記事内で述べています。但し、0円での回線維持が出来ていた当時のものになります。
2 最強プラン移行による問題解決
2023/5/12に発表された「最強プラン」の内容からは、上記の問題点はいずれも解決、改善の方向に進んでいることが分かりました。
(1) パートナー回線の速度制限
パートナー回線での通信の5GB超えで掛かっていた1Mbpsの速度制限は撤廃されました。「最強プラン」の目玉仕様の一つです。素晴らしいアップグレードだと思います。
が、しかしこれだと
au回線と全く一緒?
だったらauユーザーはコスパの良い楽天に乗り換えた方がいいじゃん。それに楽天ユーザーのau回線の乗り入れにより、回線がひっ迫し既存のauユーザーがその煽りを喰らうのは・・・。
auユーザーさんが当然抱く懸念事項でしょう。しかし、この点はしっかりKDDIも対策されているのです。
楽天モバイルにパートナー回線として貸し出す帯域は
プラチナバンドと呼ばれる800Mhz帯のみ
で、他の周波数帯の回線は利用は不可となっており、きっちり差別化を図りauユーザーを保護しています。
そうなると、楽天モバイルにとって繋がりやすいプラチナバンドの乗り入れは歓迎すべきことですが、これだと、複数の周波数帯を束ねて効率よく運用し、通信の高速・安定化を図る
キャリアアグリゲーション技術
画像引用先:KDDIホームページ
が使えないことを意味します。
つまり、確かに速度制限は撤廃されましたが、実際
その通信速度はどうなの?
と手放しでは喜べない状態と言えます。なのでパートナー回線での通信速度は要チェック事項と言えました。
(2) 利用電波掴み変えに伴う遅延
5月12日に発表された「最強プラン」の内容の中に、回線の切り替えも「KDDIとの技術協力により改善する」との記載もありますので、楽天モバイル自身も、僕が先に指摘した電波の掴み変えに伴う遅延が楽天モバイルユーザーにストレスを与えていたことを認識しており、改善を目指していることが分かります。
これには、期待せずにはいられませんでした。
※ 僕は、こうした楽天の自らの弱点を認識し、それらの改善を目指す姿勢を好意的にとらえ見切り発車的にカシモWiMAXの解約に踏み切りました。6月1日からは検証を兼ねて楽天モバイルをがっつり使う予定でしたし、5月20日までに解約手続きをしないと、6月分の料金は発生してしまうからです。
この決断(英断)が吉と出るか、凶と出るか?(吉だったんですけどね)。
3 検証結果
(1) 通信速度について
パートナー回線利用時の速度制限は撤廃されましたが、パートナー回線として利用できるのはプラチナバンドの800Mhz帯のみです。
これだと、前述のとおり、複数の帯域を効率良く束ねて運用し高速、安定化をはかるキャリアアグリゲーション機能が使えませんので、実際の速度が気なるところ。
しかし、執筆時の6月4日現在、車(大型トラック)を停止させ通信速度を検証しようとしたサービスエリアやコンビニはいずれも楽天回線のカバー地域であり、パートナー回線エリアの発見に至っていない状況です。
つまり、楽天自社回線のカバーエリアがここ一年で急速に整備されたという感想で、今のところパートナー回線の速度の心配は杞憂に終わっています。
※ パートナー回線エリアを発見次第、通信速度を測定し、結果をご報告します。
(2) 電波掴み変えに伴う遅延の解消状況
当時(2022/4)特定の場所で発生していた利用電波掴み変えに伴う遅延問題は、動画視聴はおろか、単なるブラウザの閲覧にまで影響し非常にストレスに感じていました。
そして、当時ストレスを感じていた場所に立ち寄り早速検証を行いました。
ア 検証場所
2022/4当時、電波の掴み変えに伴う遅延によりストレスを感じていた代表的な個所は、
中央道 下り 内津峠サービスエリア
上信越自動車道 下り 松代パーキングエリア
でした。
※ 仕事の都合で今も良く利用させてもらっています。お世話になっています。有難う御座います。
イ 検証機材
(ア) モバイルルーター
楽天モバイルのSIMを名機との誉高い、富士ソフト製のモバイルルーターFS030Wにセットし運用します。
まだまだ現役のFS030Wですが、電源を繋ぎっぱなしで運用する時は、バッテリーを労わるロングライフモードをONにしての利用をおすすめします。
(イ) 検証デバイス
Sony Xperia X4 Tablet(2015発売)
iPad(2017)モデル
※ 最新のデバイスで検証出来ずにすみません。が、しかしこれら古めかしいデバイスでも?という観点で、参考にしていただければと思います。
ウ 検証結果
実際に内津峠パーキングエリア、松代パーキングエリアに立ち寄ってみたのですが、共に既にしっかりと楽天回線のカバーエリアとなっており、1年前(2022/4当時)に感じたもたつきは一切ありませんでした。
検証に用いたモバイルルーターも再生用デバイスも1年前と同一ですし、更に車の停止位置も出来る限り再現しましたが、
電波状況は(良い方向に)一変
しており、動画再生もスムーズでしたし、ネット閲覧も非常にサクサクと快適にブラウジングできました。
(3) 高速道路を走行しながらの使用感
最強プランがスタートした6月1日午前0時00分よりモバイルルーターに楽天SIMを差して車内をWi-Fi化し、運行しながらラジオ代わりにYoutubeやDAZN、アマゾンプライムビデオを再生し続けましたが、
殆ど再生が止まることはありません
でした。
この期間に運行したルートは、
名古屋~大阪
名古屋~富山
名古屋~長野~新潟
で、名古屋~富山の区間は、奥飛騨の山間部を通り抜ける東海北陸道を通行しています。また、松本市~長野は大雨の影響で国道19号を走行したにも関わらずです。
これらのルートは山間部ということで、必ずパートナー回線での通信も行われていると思いますが、スムーズに切り替えを行われていたことが伺えますし、パートナー回線の通信速度も、走行中でしたので測定は出来ていませんが、
動画再生が問題なく行える程の速度
は確保されていると実感できました。
覚えている範囲で、動画の再生が一瞬止まった場所を列挙しますと、
伊勢湾岸道の名港トリトンから長島インター間の一部
四日市インター付近
東海北陸道 河合パーキングエリア付近
東海北陸道 白川郷インター付近
でした。
これらの場所で再生が一旦止まることがあったものの、数秒で復活しました。
※ お世話になっていたカシモWiMAXを引き合いに出して恐縮ですが、WiMAX回線は通常モードの場合、東海北陸道の荘川インター以北から富山へ抜ける間は、トンネル内外問わず圏内でした。
まとめ
2023/6/1より始まった楽天モバイルの「最強プラン」は、車内をWi-Fi化するのに適した選択といえます。
その理由は、二つあります。
理由① 十分なカバーエリア&速度
音声通話と違い、車内で音楽や動画を再生する場合、その都度ネットに接続するストリーミング再生をするにしても、デバイスが
30秒~3分程のデータを溜め込み
再生を途切れ難くするバッファリング機能が働きます。
ですので、ある程度のエリアがカバーされ、速度が出ていれば、実際には通信が途切れ途切れになっていたとしても、再生は途切れませんし、車内をWi-Fi化する回線としては及第点となります。
理由② コスト面
現状楽天モバイルは先行3社に比べ、通話エリアや電場の品質が劣っていることは認めざるを得ないはずです。それでも勝負するには、
価格しかない
という思いで、データ通信量無制限、速度制限無しという仕様にしながら、3,278円(税込み)という破格の料金プランを設定しています。
頻繁に音声通話を行うメイン回線としては、やはりまだまだ心もとないと言わざる得ないですが、車内のWi-Fi用回線としては、
合格ラインの性能を維持
しつつ、性能が劣っている分、価格が安く設定されている楽天モバイルの現状は、正に、
車内をWi-Fi化する用途にピッタリ一致する回線
になっているのです。
言葉の使い方が合っているか分かりませんが、車好き、ドライブ好きの人間にとっては「怪我の功名」と言えるのでのはないでしょうか?
まだ4日間程使ってみた感想ですが、最強プランが始まった楽天モバイルは、車内をWi-Fi化する回線として「持ってこい」の「うってつけ」のプランであると確信しています。
これからも僕は全力で楽天モバイルにより車内をWi-Fi化し、快適な車ライフをおすすめしていきたいと考えています。是非一緒に楽しみましょう!!!
次の記事では、性能面、コスト面から楽天モバイルが車内をWi-Fi化する上で最高の相性であることを紹介します。〉〉次の記事へ
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