移動しながらの使用に弱いとされるWiMAXですが、実際はどうなのでしょう?。日々トラックの中にモバイルルーターを持ち込み使い倒しているトラックドライバーの僕take(テイク)が実際の使い心地を余すことなくお伝えします。
みなさんこんにちは!車内空間の快適化を求め日々研究中のtake(テイク)と申します。今年(2022)2月にカシモWiMAXさんと契約し、以来トラックの車内をWi-Fi化して快適に運行しておりますが、
Live配信動画
が途切れがちになることが気になり始め、それからはメーター部分にモバイルルーターを常時点灯する設定で立て掛けて、
日々電波の受信状況に目を光らせる電波警察としての活動を強化してきました。
本日は、約半年に渡る電波警察の活動から得られた結論を皆様にお知らせし、WiMAXの導入を検討されている方の参考になればと考えています。
1 結論
移動中の車内においてWiMAXは使用に堪え得るのか?という問いに対して、僕take(テイク)の回答は
基本的には使用可能
というものです。
一般道ならば、よっぽどの山間部以外なら全域で、高速道路においても約80キロで走行したとしても、ほぼ電波は掴み続けます。
しかし、電波を掴むといっても、それは皆さんの想定する使用方法により、
快適に使用できる場合
~
問題ありの場合
に分かれていますので、想定される使用形態ごとに順に説明していきます。
2 想定される使用方法別使い心地判定は?
(1) | ストリーミングによる音楽再生 | ◎ 問題なし |
(2) | プライムビデオ、youtube等の動画視聴 | 〇 ほぼ問題なし |
(3) | AbemaTV DAZN等のLive配信動画の視聴 | △ やや問題あり |
(4) | LINE通話 ZOOMによるリモート会議 | × 問題あり |
(1)ストリーミングによる音楽再生
お手持ちのスマホをBluetoothで若しくは有線でカーオーディオに繋ぎ、Amazon prime music Apple music AWA等のストリーミング再生での音楽再生は問題ありません。
(2)プライムビデオ、youtube等の動画視聴
プライムビデオ、youtube等の既に完成された動画をストリーミング視聴する場合、ほぼ問題なく視聴できますが、一部再生が止まる場合もあります。
(3)AbemaTV DAZN等のLive配信動画の視聴
AbemaTV DAZN等のタイムテーブルに基づいた配信番組、Live配信番組は山間部や長いトンネルに突入するとかなりの確率で映像がストップします。
また、都心部でも電波の掴み変えのタイミング?で映像がストップしたりします。「やや問題あり」と言わざる得ません。
(4)LINE通話 ZOOMによるリモート会議
LINEアプリによる通話、移動中に後部座席でZOOMでリモート会議や打ち合わせといった使い方を予定されている方は、利用する回線にWiMAXを選ぶのは避けた方が賢明です。
何故、この様に使用形態によって使用感にばらつきが出るのかを順に解説していきます。
3 WiMAX回線の整備状況
(1)利用電波の拡充
現在のWiMAXは
WiMAX+5Gプラン
を展開中で、同プランは基本の受信電波(スタンダードプラン)で
WiMAXの2.5GHz帯の電波
の他
au回線 | 1.7GHz 2GHz帯 | 4G(第四世代電波) |
au回線 | 3.7GHz 4.5GHz帯 | 5G(第五世代電波) |
を掴んで通信できるようになり、非常に繋がりやすくなりました。
また、どうしても繋がらい場合は、ルーターの設定をプラスエリアモードに切り替えれば、
au回線 800MHz帯 (プラチナバンド)
での通信が可能であり、日本国中津々浦々どこでも繋がります。(別途使用料あり、月15GBまで)
WiMAX回線の詳細は、トラックドライバーさん向けの「WiMAXは車で使用するWi-Fi回線になり得るか?」で解説していますので、ご参照下さい。
(2)トンネル内の圏外問題
自分が仕事で各地の高速道路を利用する際に、モバイルルーターを車のメーター脇に置き、電波の受信状態を確認したところ、
トンネル内(全長約500メートル以上)
はどんどの箇所で「圏外」となることに気づきました。但し新東名の一部のトンネルは、トンネル内の方が電波状況が良いケースもあります。
各高速道路での使用感は、
長野道 塩尻JCT~上信越自動車道 更埴JCT~北陸道上越JCT~北陸道長岡JCT
で記事にしていますのでの、ご利用される高速道路があればご参照下さい。
※ これは、2022年春から夏にかけて確認した結果です。新東名高速道路においては、1キロを超えるトンネルでありながら、トンネル内の方が電波状況が安定するトンネルが幾つもありました。これは、トンネル内専用アンテナが敷設されており、今後、この様な通信可能なトンネルが増えるものと思われます。ですので、WiMAXの電波状態は日々整いつつあると言えます。
4 WiMAXの途切れがちな電波を補うバッファリング機能
スマホ、タブレットで音楽、動画をストリーミング再生する際は、再生がストップするのを防ぐ為、デバイスが再生前に一定のデータを保存したり、再生しながら先行してデータを保存ずる
バッファリング機能
が備わっており、知らず知らずの内に私たちは日々この機能の恩恵を受けています。
また、WiMAXの電波の基地局は、通話を主目的とした携帯電話に用いられている電波の基地局ほど数は多くなく、また電波の種類(周波数)も高周波のものが多く、
直進性は高いものの、回折(反射)しにくい
という特徴があります。
すなわち、地下施設や建物内、トンネル内に電波が入り込みにく、度々瞬間的に「圏外」ななったりしますが、その都度音楽や動画の再生が止まらないのは
バッファリング機能のおかげ
であると言えるのです。
ですから、一概に圏外=使用不可ということではない。ということをご理解下さい。
5 想定される使用形態と実際の使用感
(1)ストリーミングによる音楽再生
Amazon prime music、Appke music AWA等によるストリーミング再生がこれに当たります。僕は、Amazon prime music unlimitedをサブスク契約していますが、手持ちのデバイス
Xperia Z4 tablet (2015発売)
ipad(2017)
で利用する限り、再生が途中で止まることは殆どありません。かなり長いトンネル(恵那山トンネルとか)でない限り、バッファリングデータを使い切ることはないです。
但し、これから述べるケースでは、ストリーミング再生に支障を来す場合もありますので、参考にして下さい。
ア 使用デバイス編
元々車内での利用を想定されていないデバイスを利用する場合です。僕が実際に感じているところでは、
Echo-dot第2世代
を利用する場合です。発売日が2018年ということで、かなり古いデバイスになりますが、使用場面は自宅のリビングが想定されているのではないでしょうか。僕が車に持ち込んでいるのは、給電コードが、デバイス側のマイクロUSB、電源側がUSB Aコネクタなので、(以降のEcho-dotはACアダプターなんです)車内利用に非常に相性が良く、車内に置いとくと非常に便利だからなんです。
しかし、古いだけあってデバイスのRAMが少ないのでしょう。非公開となっており容量は定かではありませんが、短い(500メートル以下)のトンネルを通過するだけで演奏が停止する場合があります。
それでも、Echo-dotは車内にちょこんと置いとく価値はありますよ。その記事は、「車内をWi-Fi化したのならEcho-dotを置いとくことをおすすめします」で解説しています。
イ 使用地域編
いくらデバイスのバッファリング機能が優秀であったとしても、WiMAX電波の圏外エリアが続くようだと再生は止まります(当然の話です)。
高速道路を仕事やプライベートで走行した結果、東海北陸道の飛騨清見インター以北はトンネルの内、外問わず圏外が続きますので、ストリーミングによる音楽再生の他、ストリーミングによる動画再生、Live動画再生、LINE通話、ZOOM会議は全てアウトです。
検証結果記事になります↓↓↓↓
「果たしてWiMAXのエリアなの?山間部を通る東海北陸道の各トンネルを検証」
(2)ストリーミングによる動画再生
利用デバイスは、引き続きXperia Z4 tablet及び ipad(2017)となります。
Amazon prime videoやYoutube、Netflixの動画再生がこれにあたりますが、ほぼ問題無いと言えます。
これらの映像作品の様に予め完成された作品をストリーミング再生する場合、バッファリングデータは
概ね3分程
蓄積されます(当然デバイスの新旧、現場の電波状態、視聴画質、天候等に左右されますが)。
一般道、高速道路のトンネル内は、長さ500メートルを越えるとWiMAXの電波はスタンダードモードの場合、圏外になると考えた方がいいです。
ただ、この圏外になるのも、入り口、出口から回折して入り込む電波が途絶え、中央付近で
力尽きて圏外になる
という感じです。トンネルに入ると、即圏外という状況ではないです。
なので、バッファリングのデータが3分間あることを考慮すれば、3分間で走破出来る距離未満の長さのトンネルなら、再生が途切れる前にトンネルを脱出でき、再生が止まることはありません。
- 一般道の場合、60km/hで走行すれば、3分で約3,000メートル
- 高速道路の場合、80km/hで走行すれば、3分で約4,000メートル
になり、更にトンネルの前後各々250メートル位のところまでは回折して電波が入り込んでいますので、
一般道で約3,500メートル以下
高速道路で約4,500メートル以下
の長さのトンネルならば映像は止まらない計算になります。僕が日々運行する実際の使用感も概ねこんな感じです。
どうですか?みんさん。日常通行する道路で、この様な長いトンネルってすぐ思い浮かびますか?
山間部の高速道路なら結構あるかもですが、一般道で3キロ越えのトンネルはなかなか珍しいのではないでしょうか。
(3)Live配信動画の再生
AbemaTV DAZNの様な、テレビ番組の様な決められたタイムテーブル(番組表)に沿って配信される動画の再生を指しますが、これらの番組はバッファリングデータの蓄積が殆ど無く圏外となってから再生が止まるまでの猶予は約1分から30秒程度しかありません。
先の計算に当てはめると、
一般道で1,500メートル以上
高速道路で1,800メートル以上
のトンネルを通過する際は、再生は止まることになります。
残念ながら、高速道路においては、1,800メートル越えのトンネルは頻繁に出現します。
また、WiMAX+5Gは掴める電波の種類が増えたことにより、ルーターが頻繁に電波の掴み直しを行っています。そしてこの掴み直しの間隙がLive配信番組が停止する原因の一つになっているように感じます(これは個人的見解です)。
詳しくは、こちらの「車内で番組視聴。その時、映像を途切れ難くする設定は」をご覧下さい。
基本的に都市部の一般道を普通に運行する場合は、一瞬止まったり、カクつくことがあるものの、ストレスになる程(個人の感想です)ではありません。が、高速道路、特に山間部を運行する場合はアウトです。長いトンネルが頻出します・・・。
(4)LINEによる通話、ZOOM会議
お話してきたとおり、WiMAXの電波はあくまで
データ通信
がメインの使用用途と想定されており、通話用途メインで考えられていません。ですので、都市部であっても一瞬圏外となることもしばしばあります。少し長め(500メートル以上)のトンネルならばまず圏外となると考えた方がいいでしょう。
ですので、WiMAXの電波を利用しての
LINE通話やZOOM会議
は、NGと言わざる得ません。
しかし、これはあくまでも、
移動中の車内での話
ですので、誤解の無いようにして下さいね。
一定の場所に留まって使用する場合で、同所で安定してWiMAXの電波を掴めるならば、WiMAXの通信速度は、通話であっても、ZOOMのテレビ会議であっても十分な速度を備えています。
さらに、つけ加えですが、WiMAX+5Gには
プラスエリアモード
というモードを実装しています(どの機種のルーターを選択したとしても大丈夫です)。
このプラスエリアモードで通信すると、
auの800MHz帯電波、所謂プラチナバンド
での通信が可能となりますので、山間部であろと、長いトンネル内であろうと圏外となることはまず無いでしょう。
※ プラスエリアモード利用月は別途1,100円の利用料の請求あり
※ プラスエリアモードでのデータ通信量は月15GBまで 以降のプラスエリアモードでの通信速度は月末まで128Kbpsに制限 要注意です。
本日のまとめ
以上が移動中の車内でのWiMAXの使用感です。職業柄移動中での使用がメインでありますが、僕自身の使用感に関して申し上げれば、
ストレスは殆ど無し
です。
AbemaTVで将棋のLive番組視聴をこよなく愛する僕にとって、高速道路の長いトンネル内でたびたび再生が止まるのは、受け入れがたい問題ではあります。しかし、それとて、何度も同じ道を運行する内に、再生が止まる場所、再生が復帰する場所を覚えてしまうこととなり、予め分かっていると、それほど苦にならないものです。それに一番長く再生が止まる恵那山トンネルを通過する際も、せいぜい
5分位
でしょうか?
※ 因みに、プロの将棋の対局における持ち時間(考慮時間)は一人8時間だったりします。その内の5分なんて・・・って感じです。
それ以上に、今年(2022年)2月に、「3日間で15GBでの速度制限」が見直され、実質
データ無制限化
した恩恵を受けまくっています。
トラックドライバーって、一人でハンドルを握っている時間は自由ですから、
大音量でお気に入りの音楽をガンガン掛けようが
動画をラジオ代わりにタレ流そうが
なんでもオッケイなんです。
なので
データ通信無制限&サブスク契約サービス
を骨の髄まで味わい尽くせる恵まれた職業といえるんです。
もし、この記事をご覧になっている方で、(特に長距離の)トラックドライバーさんがいらっしゃるのなら、200パーセントWiMAXをおすすめします。
※ 2024年9月時点で推奨は、楽天モバイル一択となります。
どうでしょか?WiMAXの導入をご検討されている方の参考になりましたでしょうか?今後もWiMAXの使用感について検証を繰り返し、ご報告していきますので、当ブログを宜しくお願い致します。
WiMAXの業者選びは、
WiMAXはどこがいい?毎日、車で運用している長距離トラックドライバーがおススメします。
にて解説しています。
また、WiMAXのモバイルルーター選びには、
WiMAXのモバイルルーター、Galaxy 5G Mobile? Speed Wi-Fi 5G X11? その選択は?
をお読み下さい。この二つのモバイルルーター、性能差はさておき、その使用感には大きな開きがありますので、この記事は必読です。必ず目を通されることを推奨します。
と、当記事を執筆した2022年10月はWiMAXを推奨しておりましたが、現状(2024/9/20)車内をWi-Fi化する為のベスト回線は、
楽天モバイルSIMのモバイルルーター運用
です。詳しくは
をご覧下さい。
モバイル回線を取り巻く環境は日進月歩の速さで日々変化しています。タイトルと記事の結論の整合性がとれていない件について、どうかご容赦頂きたく思います。
愛読感謝
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