WiMAXは車で使用するWi-Fi回線になり得るか?その使用感を報告します。 

Wi-Fi導入

 さんこんにちは。自らも大型のドライバーをやりながら、皆さんにトラックの車内空間快適化のご提案をさせて頂いておりますtake(テイク)と申します。 

 以前より、「長距離トラックのドライバーは直ぐにでも車内にWi-Fi環境を導入すべき!」とお伝えし、それではそのWi-Fi業者はどこがいいか?という命題に対しては、完璧ではないものの、「楽天モバイル一択である」とお伝えしてきました。 

 こうして皆様におすすめする以上、実際の使い心地を確かめる為に楽天モバイルを契約し、実際仕事に持ち出して検証したところ、パートナーエリアでのデータ通信量5GBを突破し、通信速度を1Mbps

に抑えられたとしても工夫次第(動画の画質を落とす等)で使えることが分かりました。しかしウエブ閲覧のもたつきなど、一部不満な点も露見し、やはり「完璧ではない」ことも分かりましたが、他にこれに勝る選択肢がないという理由と、月々1G以下のデータ使用量なら0円で回線維持が可能という理由で、「楽天モバイルを契約しておくべき」という結論に達しておりました。が、しかし2022年2月1日、UQWiMAXより、速度制限の緩和がアナウンスされ、 

長距離トラックドライバーのWi-Fi回線になり得るかも 

という状況になり、急遽検証を実施するに至りました。 

 ※ 現在楽天モバイルは0円での回線維持は不可になり、以下に説明するWiMAXを強く推奨します。

検証結果より導きだされた結論 

 トラックドライバーの使用環境下においてもWiMAX+5Gは十分に使える 

以下、検証の経過を報告します。 

 

take(テイク)氏のWiMAXに対する印象 

 WiMAXは、無印WiMAX、WiMAX2+、WiMAX+5Gと発展してきましたが、僕は無印WiMAXのお世話になっていました。無印WiMAXをバイルルーターで使ってましたけど、家やカフェで使う分には申し分無い感じで、通信速度はだいたい2~5Mbps位だった覚えです。ただ、その頃からスマホやタブレットをナビ代わりにする使い方が普及しだし、それに習って無印WiMAXのモバイルルーターを車に乗っけてスマホをナビ代わりにしようとした時に、WiMAXの電波がブチブチ途切れてしまい使い物にならなかった印象が強くありました。   

 後でWiMAXの電波の性質が 

直進性が強く、一度に大量のデータを送れる(速度が速い) 

その分、障害物に弱く、電波が回り込みにくい 

という特徴があると知りました。これはWiMAX2+でも変わりません。電波の帯域自体は変わっていませんので、障害物に弱いという性質も変わりません。 

 それに、無印WiMAXを解約した理由が、WiMAXからWiMAX2+に事業の主体が移って行く際に、WiMAX2+には、3日合計10Gで速度制限が設けられたからでした。当時はニコニコで将棋中継が盛んで、時間があればずーと将棋番組をタレ流したい派の自分の使い方ですと、あっという間にこの速度制限に引っ掛かってしまい、WiMAX回線とお別れしたのでした。 

 これらの記憶が鮮明に頭に残り、WiMAX回線は高速で移動するトラックの車内で使うのは相性が悪い上に、3日で10Gの速度制限は、大量にデータ通信を行う長距離トラックのドライバーのWi-Fi回線にはなり得ないと思い、softbank回線を利用したFujiWi-Fiのお世話になったり、G-CallWi-Fiのお世話になったりしていたのでした。 

WiMAX+5Gへの進化(WiMAX2+との相違点) と懸念点

 無印WiMAXからWiMAX2+への進化は、 

      通信技術の進化により、送信出来るデータ量が増え、その結果速度が上がったことになるというものでした。(電波自体の速度は変わりませんからね) 

 WiMAX2+からWiMAX+5Gへの進化の内容は、WiMAX回線の技術の進化ではなく、掴めるau回線の増加による利便性のupと言えます。   

進化1 au回線が標準で掴めるようになった 

 WiMAX2+は、標準ではWiMAXの2.5GHzで繋がり、WiMAXの圏外になるとauの800MHz、1,7GHz、2GHz 帯の電波を使って通信することになり、これを「ハイスピードエリアモード」と呼んでいました。 

 このハイスピードエリアモードの帯域の電波で通信を行うと別に1,000円程度の料金が発生し(長期契約の場合はハイスピードエリアモード代金込みの場合もありました)、尚且つこのモードでの通信は月7Gまでで、これを超えるとWiMAX回線も128Kbpsのお仕置きを受けることになっており、とても利用できるものではありませんでした。 

 更に、WiMAX回線の利用であっても、3日間10G以上で翌日の午後6時から日を跨いだ午前2時までの間、1Mbpsに速度制限がかかりました。 

電波の割り当て一覧表

WiMAx2+で掴める電波の種類  「ハイスピードエリアモード」は有料オプション

引用先:総務省

 これが、WiMAX+5Gでは、標準(スタンダードモード)でも赤マルの

WiMAX+5G で利用できる電波の一覧表

プラスエリアモードは有料オプション

  引用先:総務省     

  WiMAXの2.5GHz 

au 1.7GHz 2GHz       4G(第四世代「generation」)電波 

そして新に 

au  3.7GHz 4.5GHz    5G(第五世代「generation」)電波 

を掴んで通信することが出来るようになり、繋がりやすくなったという訳です。 

 「WiMAX+5G」の名前の由来はここから来ているということですね。

進化2 速度制限の緩和措置 

  更に、これらWiMAX回線、4G回線、5G回線の通信で3日間15G以上の利用で掛かっていた速度制限が、2022/2/1事実上撤廃され、無制限Wi-Fiとなりました。いやー素晴らしい。厳密には「著しい使用が認められた場合は、他の利用者の利便性を確保するために速度制限する」旨が残っていますが、ほぼ無制限と言えるでしょう。 

 懸念点

プラチナバンド(700MHz~900MHz)はやはり別格扱い 

プラチナバンドとは 

  電波の性質として、周波数が高くなればなるほど、データを運べる量が増え(=高速化)直進性が高まります。その反面障害物に弱く、室内や地下など電波が届きにくいとうデメリットがあります。 

  逆に周波数が低いと、データの運搬量はそこそこになりますが、跳ね返り(回折)やコンクリートなどを透過しやすいという特徴が生きて隅々まで電波が届くという特徴があります。この隅々まで届きやすい電波(700MHz~900MHz)をプラチナバンドと呼びます。 

 WiMAX+5Gでプラチナバンドを掴むには  

  WiMAX+5Gには通信方法にはスタンダードモード(標準)とプラスエリアモード(有料オプション)の2種類があり、スタンダードモードではプラチナバンドは掴めません。この電波の届きやすいプラチナバンドを掴むには、

ルーターの設定をプラスエリアモードに切り替える   

別途料金1,100円が必要(長期契約の場合は無料) 

です。更に、 プラスエリアモードでのデータ通信は月15GBまでで、それを超えると月末までプラスエリアモードのみ128Kbpsの速度制限が入ります。これはauの携帯ユーザーの利便性が確保するための措置と思われます。  

 検証方法 

 UQWiMAXさんでは、「Try WiMAX」という15日間無料でWiMAXルーターの貸し出しを行うプログラムがあり、同プログラムを利用しました(素晴らしい制度です。有難うございます)。  

利用端末 

 Galaxy 5G Mobile Wi-Fi 

 下り最大速度 2.2Gbps   

 検証区間 

大阪~浜松 

   阪神高速 近畿自動車道 第二京阪道路 京滋バイパス 新名神高速 国道23号線 

 名古屋~長野 

   名古屋都市高速 東名高速 中央道 長野道 

検証方法 

  車内でプライムビデオをタレ流し。画質は最低の「データセーバー」モード 

  ルーターに電源を繋ぎ、液晶を常時表示に設定し、接続状況を目視で確認しました。 

検証結果  

プライムビデオの再生状況 

 概ね途切れることなく再生できましたが、 

  • 京滋バイパスの宇治トンネル内
  • 新名神の甲南トンネル
  • 同、鈴鹿トンネル内
  • 中央道の恵那山トンネル内
  • 長野道一本松トンネル内          

でグルグルマークが出て再生が止まることがありました。

新東名高速道路の路線図

中央道、長野道の路線図

いづれも山間部の長〜いトンネルです。

※ トンネルは入った途端に止まるのではなく、トンネルに入ってからも事前の読み込みの貯金で粘って再生し続けますが、トンネルの出口付近で貯金を使い果たし、止まってしまうという感じです。トンネルを抜ければ、すぐに再生は再開しました。 こうして再生はストップするものの、ルーターの画面は4G電波を「弱」で掴み続けてはいました。

回線の接続状況 

 掴んでいる電波の種類は、モバイルルーターの画面に表示されますが、常に「5G」「4G」と表示され、上記のトンネル内も電波強度は「弱」になるものの、ずっと「4G」と表示されていました。どの電波も掴めなくなる「圏外表示」は一度も現われませんでした。 

速度制限の状況 

 3日間の合計データ量が25Gを超えた状態で検証しましたが、「5G」接続時で90Mbps程度「4G」でも30Mbpsが出ていました。一日8G程度使ったとしても速度制限は課せられないことが判明しました。 

スピードテストの結果

上記は、停止中。「5G」接続時です。

 プラスエリアモードの成果 

 せっかく無料でお試しできるのでルーターの設定変更し、プラスエリアモードで運用したところ、スタンダードモードでは再生が止まった各トンネル内でも一切プライムビデオの再生が止まることはありませんでした。 さすがプラチナバンドと言えると思います。

 検証結果による考察(まとめ) 

  検証の結果、WiMAX+5Gは、高速移動下においても電波を掴み続け、ほぼ途切れることなく動画再生可能であることが判明しました。しかしこれはWiMAXの電波が移動に強くなった訳ではなく、WiMAX+5Gプランにより 

au 1.7GHz 2GHz     4G(第四世代「generation」)電波 

3.7GHz 4.5GHz    5G(第五世代「generation」)電波 

を掴むことが出来るようになった恩恵であると思われます。 

 しかしながら電波の種類がどうあれ、高速道路を高速で移動中の車内においても、ほぼ途切れることなく動画再生可能であることが判明しました。

先に「スタンダードモード」では電波が隅々まで届くプラチナバンドが掴めないという懸念点を申し上げましたが、確かにプラチナバンドはカバーエリアが広がり、「繋がりに死角なし」という状態にはなりますが、スタンダードモードのWiMAXの2.5GHz、auの1.7GHz、 2GHz、3.7GMz、4.5GHzの電波を掴めるだけで必要十分であると感じました。

 実質容量無制限になったWiMAX+5GはトラックドライバーのWi-Fi回線となり得ることが判明しました。 

 

 

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