はじめに
愛車の中で動画、音楽を楽しむのに最適&(コスパ)最強といえるカロッツェリア
「DCT-WR100D」
をAmazonブラックフライデー(2022)のセールを利用して購入し、仕事の車に導入して運用してきました。
今回は現在購入を検討されている方に対して、1年利用した者から、メリット・デメリットを示した上で、カロッツェリアのホームページを見ただけでは分かりにくい点についてもお伝えしていきます。
※ 2024年9月に発売が予定されている後継機のDCT-WR200Dの購入を検討されている方にも有益な内容となっていますので、是非お付き合い下さい。
1 「DCT-WR100D」の概要
パイオニアのカー用品ブランド名「カロッツェリア」の名を冠して発売されている
車内での利用に特化したWi-Fiルーター
が「DCT-WR100D」となります。
画像引用先:カロッツェリアホームページ
発売日は2020年10月となりますが、ドコモの4G回線を速度制限無し、データ無制限でお安く利用することができ、2021年度の日刊自動車新聞「用品大賞」に選ばれたり、発売当時はMONOマガジンやグッズエクスプレスなんかでも盛んに取り上げられ、在庫切れを起こすなどかなりの人気商品で、今でも一定層のユーザーにはドンピシャで刺さる素晴らしいカーグッズであることに間違いありません。
・・・が、少々クセがある商品でもありますので、順番にメリット・デメリットを紹介いたします。
(1)メリット
月々のランニングコストが安い
DCT-WR100Dは携帯電話と違い、基本使用料という概念はありません。契約は
利用登録
と
利用申し込み(チャージ)
の2段構えとなっており、基本的に利用登録すると24カ月間利用可能となり、その上で更に、その都度
1日 | 550円 |
30日 | 1,650円 |
365日 | 13,200円(いづれも税込み) |
の中から期間を選んで利用申し込み(チャージ)します。よって一切使用しなければ(利用申し込みしなければ)料金は全く発生しません。
ですので、回線維持のランニングコストに優れ、最長365日(1年)の利用申し込みをすれば、
月換算1,100円
というコスパを誇ることになります(本体代は論外としてますけどね・・・)。
事務手数料もありませんし、解約違約金の設定というか、その様な概念はありません。
月額1,100円でドコモ4G回線
前項で触れたとおり、最長365日の利用申し込み時の料金は、13,200円で月換算すると
1,100円
で、全国津々浦々貼り巡らされたドコモ4G回線を利用できます。山間部や都会の高層ビル群、トンネル内でもほとんど途切れません。
厳密に感想を述べれば、ドコモの4G回線と言えども、山間部の高速道路では「圏外」となることも「あるにはある」という感じですが、ほぼ問題無と言えます。詳細は「運用編」を確認下さい。
同時接続は5台
DCT-WR100Dの同時接続は5台となります。運転手がスマホをナビ代わりに利用し、更に助手席の奥様、後部座席のお子様二人がそれぞれスマホ・タブレット・携帯ゲーム機を接続したとしても1回線余る勘定です。
リビングで利用するルーターならば、同時接続5台は心細いですが、車内利用ならば問題無しの性能ではないでしょうか(ぼっち生活満喫中の僕には十分過ぎます・・・)。
速度制限無し・データ無制限
途切れないドコモ4G回線を、速度制限無し、データ使用量無制限の完全無制限で利用できます。
よく見かける
「3日で〇〇GB以上の使用で翌日速度制限あり」等の小さい但し書き
はありません。宣伝文句に偽り無し、正真正銘「完全無制限」となります。
旅の道中、助手席、後部座席でそれぞれ動画を楽しみ、データを湯水の如く利用したとしても速度制限のペナルティがかかることはありません。
商品の耐久性
DCT-WR100Dは車内での利用、更には車内に置きっぱなしを予め想定されて開発されていますので、
-10度~+60度
の環境でも正常動作が保証されています。
一般的なモバイルルーターはこれほどの耐久性はありません。僕は利用していなかったとあるモバイルルーターを冬のワンシーズン車に置きっぱなしにした結果、
バッテリーパック死亡
いざ電源を繋いで起動させても正常動作せず
になってしまいました。
夏の車内は灼熱、冬の夜間は極寒地獄となりますが、これらの劣悪環境での使用が織り込み済みのDCT-WR100Dなら安心です。
実際、僕も1年間仕事のトラックに(休みの日も)乗せっぱなしで運用してきましたが一切故障なく過ごしてきています。
運転開始時の操作不要
DCT-WR100Dには一切ボタンが無く、車のイグニッションON OFFがそのままDCT-WR100DのON OFFになりますので一切の操作は必要ありません(バッテリーは非搭載です)。
特定の車との紐付けなし(別の車両でも利用可能)
ETCと違って車と紐付けされて動作する訳ではありませんので、他の車両に持ち込んでも動作します。
モバイルバッテリーで通電させ、進行方向に対し正しい向きで設置すれば、バス、電車内でも利用可能です。
(2)デメリット
車用Wi-Fiルーターですが、正しくは「(移動している)車用のWi-Fiルーター」です。
この商品の最大のポイントで、この事を知らずに購入すると
大後悔
することになります。
DCT-WR100Dは、ドコモ4G回線を破格の月額1,100円で完全無制限にて利用可能な訳ですが、そのカラクリ(理由)は、
移動中の車内
の利用に限られている点です。
DCT-WR100D本体に加速度センサーが備わっており、動き(重力)を感知して、車両が動き続けている限りネット接続は可能ですが、反面、停止中は、
画像引用先:カロッツェリアDCT-WR100D 紹介ページ
あくまで救済措置的に、
エンジンスタートした時点から30分間
停止してから(アイドリング状態)1時間 のみ
利用可能という仕様になってます。この点は本当に注意が必要です。つまり、自宅のリビングでは勿論、オートキャンプのシーンでもほとんど利用できないという訳です(残念この上無いですけど・・・)。
商品自体に物理的な利用期限が有る
正確には本体にセットされているUIMカードに利用期限が設けられています。新品を購入した場合、DCT-WR100Dに電源を通せば自動的に通信が始まり内部のUIMカードに利用開始年月日が書き込まれ
通電日を含む月+23カ月目の月末日
がUIMカードの利用可能期限になります。
このUIMカードの利用可能期限の更新は不可で、新にUIMカードを用意する必要があります。その、更新用UIMカードの値段は税込み5,500円。パイオニアの商品ページから「Map Fanオンラインストア」に案内され、同所にて購入可能です。
つまり、
2年ごとに5,500円の追加の出費を迫られる
ことになります。
本体の状態が分かりにくい
最近のモバイルルーターは小さな液晶付きで本体の不調理由はその液晶に表示される仕様が主流ですが、DCT-WR100Dにはインジゲーターランプが1個ついているだけで、このランプ一つで状況を訴えてきます。そして、その意味を確認するには、その都度取り扱い説明書を見る必要があります。
しかし普段から言葉が話せないワンちゃん、猫ちゃんと暮らしている方なら、ここは問題無い?かも。それに、この子、不調を訴えることはまずありませんしね~
青色点灯 | 正常 |
(走行中)消灯 | 圏外 |
(停止中)青色点滅 | 通信終了10分前 |
(停止中)消灯 | 通信終了 |
これだけ覚えとけばモーマンタイ(無問題)、僕は何、不自由なく運用できています。
以上のメリット、デメリットを踏まえた上で尚、購入を検討さている方に対し、ここからは、ネットの商品紹介ページを見るだけでは気づかなかった点や気になる点、購入後に実際に使える様になるまでの手順をお伝えします。どうぞ参考になさって下さい。
2 取付の懸念点
商品ページを読むと、「本体は車のいづれかの場所に、進行方向に向けて、垂直方向に固定する必要がある」と書かれており、同梱物にも両面テープが記載されており、がっちり車に固定されてしまうと思っていました。しかし実際には(よく説明書を見ると)
マジックテープ(オス、メス一組)に両面テープが貼り付いたモノ
が同梱されており、車の設置場所と商品の本体にそれぞれ両面テープでマジックテープのオス、メスを貼り付けた後、
マジックテープで固定する方式
ですので、
DCT-WR100Dを車から取り外すの(他の車両での利用)は容易
です。
複数の車をお持ちの方で、適宜載せ換えて、別の車での利用を予定されている方にも配慮されています。
3 電源コードに関する懸念事項(トラックドライバーさん向け)
商品ページを読むと、付属されるシガーライターに差し込んで利用する電源コードは、
電圧12V専用
とあります。ですので、電圧24Vの大型トラック利用には一工夫必要となりますが、この点につきましては、
24V用のシガーライター
を大型車両のシガーライターに差し込み、その上でカロッツェリアDCT-WR100D付属のシガー電源コードを差し込めば問題なく利用でします。
※ 2024/4 カロッツェリアホームページを確認すると、シガー電源コードは、「12v/24V」とありますので、24Vにも対応頂けています。大型のドライバーさんも安心です。
トラックドライバーさんは、シガーソケットを増やす為に、2口、3口の24V用のシガーソケットを既にお使いのことと思いますので、そこに差し込めはOKです。
また、別の方法として、専用のUSBから給電するコードも販売されています。同コードを利用すれば、24Vに対応したUSBシガーソケットを準備すれば給電可能です。トラックドライバーさんは既にお持ちと思います。必需品ですからね。
蛇足かもですが、Amazonで発売されているUSBから給電するサードパーティー製のコードについて、先端部分のコードがむき出しになっていて
見るからに断線が懸念される残念仕様
になっています。アマゾンの口コミページにも同様に心配の声が挙がっています・・・。
ですが安心して下さい。同製品は携帯電話の充電時の様に頻繁に抜き差しするモノではありません(複数の車で利用する場合も、この部分の抜き差しは必要ありません)。僕は購入以来一度も抜き差ししていません。
それに、気休めかもしれませんが、同梱されている、純正のシガーライターからの給電コードも同じ様に、先端部分のコードはむき出しになっており、見るからに非常に頼りないです。というか、サードバーティー商品はここも習って商品化したのでしょうか?いずれにせよ断線は心配になりますが、「問題無し」と言わせて下さい。
4 契約方法
通信を開始するには契約が必要ですが、その契約先は「docomo in car connectの利用登録」と「利用期間の申し込み(チャージ)」の二段階になります。
いづれも、ドコモの店頭に訪れる必要は無く、ネット上で全て手続き可能です。ネットに慣れた方なら商品開封後、30分で利用可能です。
但し、これらの契約の大前提として、
dアカウント
が必要になります。
ドコモユーザーでなくても、dアカウントは誰でも無料で取得できますので、持っていない方は、事前にdアカウントを取得しておく必要があります。
dアカウントはドコモが提供する各種のサービスを受ける為のアカウントで色々便利なサービスがありますので、DCT-WR100D購入前や検討段階の方、若しくは今のところ全く購入意思の無い方もdアカウントだけでも取得しておいて損は無いです。
dアカウントの取得の方法は、以前の
にて詳しく説明していますのでご覧いただき、事前取得をおすすめします。
※ この記事の加筆修正はマックにて、同所に飛んでいる「dWi-Fi」を掴んで行っております。「dWi-Fi」は、dアカウントがあれば、無料、時間制限無しで利用可能となります。
(1)「docomo in car connectの利用登録」UIMカードの認識
カロッツェリアDCT-WR100Dの本体には、本体にUIMカードが予めセットされています。UIMカードとは、携帯電話のSIMカードに当たるもので、通信する際には必須になります。
契約を進める際は、まずDCT-WR100Dに通電させ、その上で、本体裏側の
CRコード
を読み込むと、有無を言わさず、それがまるで当たり前の様に、dアカウントのID、パスワードの入力画面になります。
予備知識が不足していると、
アレ? カロッツェリアの商品を購入したのに、「dアカウント」のログインとは、此れ如何に?!
ですよね。
改めて説明しますと、「DCT-ER100D」の本体はカロッツェリア製ですが、利用する回線はdocomoの4G回線に限られます(他社の回線を選ぶことはできません)。そして、docomoのサービスの中の「In Car Connect」というサービスを利用しネット接続するからです。
ログインを終えると、
docomo「In Car Connect」の画面に進みます。
その後、利用規約の同意にチェックを入れて「次へ」をタップすると、
ご契約者様情報登録画面へ進みます。
本体ウラのCRコードを読み込んで進んでくると、dアカウントの情報も相まって、必要な項目は既に入力された状態となっていますので、あとは「この内容で登録」をクリックするだけで利用登録は完了します。
※ 公式ホームページを読む限り、通電状態に置くことによりDCT-WR100D内部のUIMカードに利用開始時期が書き込まれ、後述する「有効期限」が決定するようですので、「試しに通電してみる」は避けた方が良いです。通電させたら一気に利用登録まで済ませることを強くおすすめします。
※ この時にDCT-WR100Dのシステムのアップデートも行われる様で、処理が完了するのに暫く(僕の場合5分位?)待たされます。初期不良を疑いたくなりますがここは辛抱強く待ちましょう。
(2)利用契約の締結(チャージ)
利用登録が完了したならば、今度は利用期間を決定します。カロッツェリアDCT-WR100Dは、365日、30日、1日のプランがあり、使いたい時にその都度チャージすることにより通信可能となります。
チャージの方法は、「docomo in car connect」で検索し、「パイオニア製品」を選び、右上の「ログイン」をクリックすると、dアカウントのID、パスワードの入力画面になり、マイページに移動します。
そこで、利用期間、決済するクレジットカードを選び(若しくは登録し)チャージ完了です。
※ すでに、チャージ済なので、この場面のスクリーンショットは載せれません。すみません。
チャージを申し込んでから実際に通信可能になる時間は、5分も掛かりませんので、「1日利用」の場合は当日のドライブ出発前に申し込んで問題無です。
5 注意点のおさらい
(1)dアカウントが必要
新品の本体を開封して僕は30分程で利用できるようになりましたが、僕は既にdアカウントを取得済でした。
契約にはdアカウントは必須になります。dアカウントの取得は無料ではありますが、取得の手間はそこそこかかりますので、持っていない方は事前に取得しておくことをおすすめします。
(2)UIMカードの有効期限について
DCT-WR100DにセットされているUIMカードには有効期限が存在します。それは、
通電した月+23か月後の月末
となっています。
この様にUIMカードには2年の有効期限があり、2年経過後もDCT-WR100D使用を続けるには、「Map fun オンラインストア」にて
更新用UIMカード 5,500円(税込み)
が新たに必要の様です。つまり、ネット上での期間更新ではなく、物理的に新たなUIMカードを購入(追加投資)する必要があります。
(3)利用開始時期
UIMカードの有効期限は、
通電月+23か月後の月末
となっていますので、利用開始はUIMカードの有効期限を無駄なく使える様にする為、
月始めの「1日」に、通電し利用登録を済ませ、チャージすること
をおすすめします。
2022年12月1日に通電し365日チャージして利用開始した僕の場合は、12月中の31日間を丸っと利用でき、UIMカードの有効期限は
2024年11月30日
となります。365日の利用契約を隙間なく続ければ、その契約更新時期と、UIMカードの更新時期をシンクロさせることができます。
細かいことですが、月末に通電させることはもったいないので避けましょう。
(4)中古購入時の懸念点
ヤフーオークションやメルカリなどでもDCT-WR100Dは出品されておりますが、中古品の購入にあたっては、必ず
UIMカードの有無
そのUIMカードの利用有効期限
を確認の上、購入を検討されることをおすすめします。
(5)利用期限の引継ぎ
例えば、中古品を購入したものの内部のUIMカードの有効期限が1年未満の場合で、それでもコスパの良い
365日(1年間)の利用申し込み
をした場合、途中でUIMカードの利用期限を迎えてしまうことになりますよね。
そんな時でも心配ご無用。新なUIMカードを準備すれば、先の365日の利用契約の残りを引き継ぎ、365日の利用契約を全うできます。
最後に
次回は、一年間利用してきたカロッツェリアDCT-WR100Dの実際の遣い心地についてレポートをUPします。結論を真っ先にお伝えしてしまうと、その感想は「素晴らしい」の一言に尽きました!!!
お楽しみに!
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